千葉八街の落花生

http://www.city.yachimata.chiba.jp/peanut/history.html

イバラキの落花生

http://www.agri.pref.ibaraki.jp/nosuimap/futsu/rakkasei.htm

この物語のモデルになってくれた落花生さんたちの写真です

ふわふわひつじ雲

http://peanut.web.infoseek.co.jp/peaframe.html

落花生関連サイト

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著作  真木悠子


イラストは実在する風景と落花生(ピーナッツ)の花々の写真をトリミングしたものです

落花生
ラッカセイ ピーナッツ ナンキンマメ
Arachis hypogeaea L.
ラッカセイ属 マメ科

今月のお話は「落花精ものがたり」

「頑張ってもむなしい」 と思っているあなたへ

あなたの心を癒すお話

心のくすりばこ

私はどこかでいつも見守っていてくれるものの存在を信じております。
それは逝ってしまった愛しい人たちかもしれません。
あるいは枯れてしまった花々。亡くなった動物たち。
人間の存在を超えるそういった多くのものが、いつでも空から私たちを見ていてくれるような気がするのです。

あなたがこの童話を読んだあとに空を見て、ほんの少し力が湧いてきたら嬉しいです。

そして今年も落花生畑には夏の朝が訪れて
どこまでも青い空の向こうからは白い雲がゆっくりと流れてきています。

やがて土の中では落花生が少しづつ大きくおおきくなっていくことでしょう。

さあやさやさやふわふわりん
さあやさやさやふわふわりん

健太くんはきょうもいっしょうけんめいペンキを塗っています。

けれども健太くんはこの日そさかいにまたもとのようにいっしょうけんめい仕事をするようになりました。
どんな小さな仕事でも大切に、そしてていねいに仕上げます。ドアいちまい、窓一つでもきれいに塗ります。

どこからかまた歌声が聞こえてくるような気がして健太くんも空を見上げました。
けれども何もみえません。
向こうから少しだけ雲が流れてきているだけです。

「かっこなぐなっても空さいるべ」

「いったいどういうことなんだろう」
健太くんは不思議でたまりません。夢でもみたのでしょうか。おどろいておじいさんを呼んできました。
するとおじいさんは少しも驚かないで
「そりゃあ夢じゃねえべ」
と言いました。そして
「花ぁいっぺえ咲くけんどマメさなんのはほんのちっとさ」
と教えてくれました。そして落花生畑いっぱいに広がっている青空をまぶしそうに仰ぎ見るていいました。

健太くんが振り向くと、畑の中からきらきらときらめく小さなものが、ひとすじの金の色をひいて、歌いながらすーっと空へと吸い込まれていきました。
「今日はありがとう。これからはお空の上から見てますね」
という声がはるかに遠く聞こえてきたかと思う間もなく
あたりは急に静かになってしまいました。
聞こえてくるのは畑をよぎる風の音だけです。

私は詩って踊ります
しぼんでいなくなっても
いつでもみんなをみています
オマメがしっかり育つよう
みんなが楽しく暮らすよう

「うーん、なかなかいいぞ」
健太くんが熱心に描いている間にお日さまはだいぶ空高くのぼっています。
それでもいっしょうけんめい看板に向かっていると、どこからか
「るーるるー、らーららー」
と歌声が聞こえてきます。

やがて看板のまわりは花で囲まれ、
源吉まめ店がお花畑の中にぽっかりたっているような看板ができあがりました。

健太君がお礼を言って外へ出ると落花生の花たちはあいかわらず小さな花びらをお日さまいっぱいに広げゆれています。
健太くんは古い看板をはずすと、色あせてしまっている看板をきれいな緑でぬりかえました。そしてその上に「源吉まめ店」と書きました。いつもの健太くんならもうこれでおしまいにしてしまうのです。けれども健太くんは落花生がすっかり気にいったので、看板のまわりを花でうずめました。開いた花、小さなはな、などなど、気にいった花が描けるまで、描いては消し、描いては消し、と何時間もかけて描いたのです。

源じいさんのお店はこの畑のとなりにあります。小さなお店の店先に「源吉まめ店」とか枯れた古い看板が下がっています。畑の朝は静かで、ときおり聞こえてくるのはお花たちの歌声だけです。
 けれども今日はお店の前にトラックがとまりました。こんなに朝早くから誰でしょう?
トラックから降りてきたのはペンキ屋の健太くんです。
健太くんはペンキ屋さんになって今年で3年になります。仕事をはじめた頃健太くんはどんな仕事でも
一生懸命頑張っていました。公園のさびたブランコをぬるときも、銭湯の古い壁をなおすときも。
どんなちっぽけな仕事でも心をこめて描いたのです。
しかしこの頃健太くんは「小さな仕事ばかりでつまんないなあ」と思い始めました。
「どんなに頑張ってもどうせだあれも知りゃあしない」と考えたのです。
だから今日も「こんな山んなかまで朝早くから嫌だなあ」と出かけてきたのでした。
ところが・・・・・。

おじいさんは

「こんまめは花落じてから、土ん中でできんだ」と[教えてくれました。

福ばあさんは奥に戻ると熱いお茶を持ってきてくれました。そして「落花生」と書いてある引き出しを開けました。落花生をサカサカとひしゃくですくって袋につめ、健太君に渡します。
健太くんはお礼を言って一粒口に運びました。
「ぽりぽりぽり」
なんておいしいのでしょう。
「かりかりかり」
こおばしい香りがします。
おいしそうに食べる健太くんを見て源じいさんと福ばああさんはとてもうれしそうです。

するとお店の中にはたくさんの落花生がありました。
「みそぴー」「梅ぴー」などなど。
見ただけでとてもおいしそうです。
「ばあさーん」
とおじいさんが呼ぶと
「はーい」
と奥から声がします。
「あれー、ペンキ屋さんかね」
と福おばあさんも嬉しそうに出てきました。

[昼にはしぼむがら早ぐきてもらったんだ」
と申し訳なさそうに言い
「お茶でも飲んでからやってけれ」
とお店の方へと歩いていきます。
健太くんもあわてて後を追い、お店の中へ入りました。

こんが落花生の花だあ」と言いました

それからもう一度畑を見渡しました。
すると向こうから誰かがきます。
源じいさんです。
「やっぱりペンキ屋さんだ。早うからどうもな」
ととても嬉しそうです。
「あんまり古い看板じゃあ落花生がかわいそうだってばあさんが言うんで、こんな遠いどこまで悪かったなあ」
とすまなそうな源じいさん。
畑の中の小さな花をさして言いました。

「なんの畑だろう」
健太君は畑の緑にちかづきました。
そしてよく見るろ緑の中に光の粒がみえます。
まるで宝石のようです。
健太くんはもっと近づいてみました。
するとそれは小さな花だったのです。

はあーこりゃあすごいや
トラックを降りた健太くんを迎えたのは緑一面の畑でした。

さあやさやさやふわふわりん

さあやさやさやふわふわりん
花びら光にゆれてます。


さあやさやさやふわふわりん
ここは山のふもとの落花生畑。
踊っているのは落花生のお花たちです


黄色いちょうちょうが風にそよいで舞うように

落花精ものがたり

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